企業の成長や競争力強化には、効率的な業務プロセスの統合と管理が欠かせません。
そこで注目されているのがERP(Enterprise Resource Planning)です。
連載記事として複数回に渡り、ERP導入によるメリットや効果、導入のポイントなど、ERP導入成功への道を解説します。
ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業がさまざまな業務プロセスを統合的に管理し、効率化するためのソフトウェアです。
ERPシステムの導入には複数の段階があり、段階的に計画的に進めることが導入を成功するコツです。以下は一般的なERP導入のステップを示したものです。
ステップを一つずつご紹介していきます。今回は、6.データ移行と準備です。
ERP導入プロジェクトの「データ移行と準備」ステップは、ERPシステムへのデータの移行と、システムが本格的に稼働するための準備を行う重要なステップです。
この作業はERPシステムが信頼性のあるデータを基に正しく機能するために不可欠です。データの品質が向上することで、システム全体のパフォーマンスと利便性、リリース後の安定稼働へ貢献します。
既存のデータを評価し、ERPシステムに適合するようにクレンジングします。
データの整合性 : 同じ情報が異なる場所に異なる形式で保存されていないか、データが欠落していないか
データの品質チェック :データの品質を評価し、誤った情報、重複、欠損データ、異常なデータなどを特定
よくあるクレンジングの作業としては
これらの作業は地味ですが元データの状態によっては多くの時間を要することがあります。早めに方針を決めて時間の見積もりを立てておくことが重要です。
データ移行計画を策定します。これには、どのデータを移行するか、どのような形式で移行するか、移行手順やスケジュールが含まれます。特に重要なデータは最初に移行され、段階的に進めることが一般的です。
また、データ移行前にシステムのバックアップを取り、復元ポイントを確立するよう計画しましょう。これにより、移行中に問題が発生した場合や、移行後の問題に備えて安全性を確保できます。
このステップで求められる重要な判断としては、以下があります。
また、過去のデータを移行する際に注意すべき点としては、終了したデータの取り扱いです。
どこまでを移行対象にするか決める必要があります。
既存のデータとERPシステムのデータ構造の違いを理解し、データのマッピング(対応付け)と変換を行います。これにより、既存データを新しいシステムで利用できる形式に変換します。
ここでの注意点としては、既存のデータと新しいERPシステムのデータの関連性です。元のデータとERPのデータが1:1にならないケースについては元のデータの統合や分割が必要となることもあります。
データ移行を実施します。これには、初回の大規模なデータ移行と、その後の増分的な移行が含まれます。移行作業中は、データの整合性を確認し、問題が発生した場合は迅速に対処します。
移行後、データの検証と品質管理を行います。データの整合性、正確性、適切な関連付けがされているかを確認し、必要に応じて修正を行います。
データ移行のすべての手順と活動を適切にログに残し、文書化しましょう。これは将来のトラブルシューティングや監査のために必要となります。
データ移行の実施については事前に本番環境と設定が同じである検証環境を用いてリハーサルを実施することを強くお勧めいたします。ERPはデータ同士リレーションを持っていることが多いので、一度移行すると削除・修正が困難な場合があります。
データが移行され、基本的なシステムが利用可能になったら、ユーザートレーニングを開始します。これにより、ユーザーが新しいシステムでの作業に慣れ、円滑な運用が期待できます。
ERPシステムのデータ移行と準備は、システムが正確で信頼性のあるデータで運用できるようにするために欠かせないものプです。プロジェクトマネージャおよび専門家の協力のもと、適切なデータ移行が行われることが重要です。
ERP導入をスムーズに進めるため、弊社でもERP導入の専門家として様々なお客様をサポートしております。お気軽にお問い合わせください。
次回は、導入ステップ6_データ移行と準備をご紹介いたします。
ERP導入は組織の効率化や競争力強化に向けた重要な投資です。安心して導入できるよう、我々が全面的にサポートいたします。何かご質問があれば、いつでもお気軽にどうぞ。成功への第一歩を一緒に踏み出しましょう。お気軽にご相談ください。
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