はじめに
前回は、請求書PDFをAIで読み取り、Notionの請求書管理DBへ自動登録する仕組みを作りました。
いわば「AI経理アシスタント」の誕生です。
便利な仕組みができた一方で、新しい疑問も出てきました。
AIに任せる仕事が増えたら、誰が何をしているのか、どう管理するのでしょうか。
どこまで進んでいるのか。
何が完成したのか。
どこで人間が確認するのか。
途中で止まったら、どう気づくのか。
そこで今回は、AI社員がWebサイトを制作する様子を見ながら、人間が確認・承認できる「AI Web制作会社」を作ってみました。
社員は、なぜか全員ペンギンです。
CFO、またもや突然の無茶振り
請求書の登録はAIがやってくれるようになったよね。
でも、AIに任せる仕事が増えたら、「どのAIが何をしているか」が分からなくならない?
たしかに。頼んだことや、成果物の場所も分からなくなりそうですね。
それなら、会社みたいにAI社員が働いているところを見える化できない?
また新しい無茶振りが来ました。
ペンギンのバーチャルAI Web制作会社
弊社はwebsiteを作ってる部署もあるので、バーチャルAI Web制作会社を作ってみることにしました。
今回作った会社には、4人のAI社員がいます。

- AI PM:依頼を整理し、制作概要・構成・文章を作る
- AIデザイナー:色、文字、レイアウトなどの視覚設計を作る
- AIコーダー:承認した内容をローカルサイトとして実装する
- AI 品質管理:要件、読みやすさ、操作性などを確認する
作業を始めると担当ペンギンが出勤し、
作業中、停止中、失敗、完了といった状態が画面に表示されます。

技術的な処理をそのまま見せるのではなく、
「いまコーダーが実装を進めています」と役割で見せることで、
AIの仕事が分かりやすくなります。
AIが作業し、人間が判断する
制作は、次のように進みます。

内容が違えば次の工程へ進む前に戻し、問題が起きた場合は失敗した工程から再開します。
AIに全部を任せるのではなく、AIが作業し、人間が判断する場所を最初から仕事の流れに入れておく仕組みです。
実は、Web制作だけの仕組みではない
今回の仕組みは、3つの層でできています。
1. AI社員を動かす共通基盤
AIへ仕事を渡し、進行状態を管理し、成果物を受け取り、次の担当へ引き継ぎます。
2. 仕事を見えるようにする画面
誰が何を担当しているか、どの工程にいるか、人間の判断がどこで必要かを表示します。
ペンギンのオフィスは、この部分です。
3. 業務ごとの設計
業務フロー、体制、役割分担、成果物、承認条件を定義します。
今回設定したのは、
PM → デザイナー → コーダー → QA
というWeb制作の流れです。
この業務設計を変えれば、たとえば経理なら、
受付 → 読み取り → 照合 → 例外確認 → 人間の承認
営業支援なら、
商談記録 → 要約 → 顧客情報の整理 → 次の対応案 → 担当者確認
といった形へ展開できます。
もちろん、名前を変えるだけで何でも自動化できるわけではありません。
接続するシステム、扱うデータ、権限、人間が判断すべき例外は、業務ごとに整理する必要があります。
それでも、
仕事を分解する
→ 役割を割り当てる
→ 進捗と成果物を見えるようにする
→ 人間の確認を入れる
という基本構造は共通です。
AI導入で必要なのは、ツール選びだけではない
AI活用というと、「どのAIを使うか」という話になりがちです。
でも、実際の業務では、それだけでは進みません。
- AIに何を任せるのか
- どの情報を使わせるのか
- 何を成果物とするのか
- 誰がどこで確認するのか
- 失敗したときにどう戻すのか
ここまで決めて、ようやくAIは「便利なチャット」から「業務を担当する存在」に変わります。
AIを導入するというより、AIが働ける業務を設計する。
今回のペンギン会社を作りながら、そこが一番大事なのだと気づきました。
今回のまとめ
今回作ったのは、ペンギンたちが働くAI Web制作会社です。
しかし、その下にあるのは、
- AI社員を動かす共通基盤
- 仕事を見えるようにするユーザーインターフェース
- 業務フロー、体制、役割、承認条件の設計
という、ほかの業務にも応用できる構造です。
AI導入で本当に難しいのは、使い始めることより、業務の中で安心して使い続けられる状態を作ることなのかもしれません。
Alea Technologyでは、現在の業務や役割分担を整理し、どの仕事をAIに任せ、どこで人間が判断するかを一緒に設計します。
大きなDX計画ではなく、請求書処理、営業報告、議事録整理など、ひとつの業務から小さく始めることもできます。
あなたの会社で、最初にAI社員へ任せてみたい仕事は何でしょうか?お気軽にお問い合わせください。
※本記事中の会話はフィクションです。